New Relic「クラウド移行で内製化しよう」セミナーに参加してきた ~ New Relicを使ったクラウド運用管理術 編 ~
こんにちは、森です。
New Relic Advent Calendar 2019, 18日目のエントリーです。
ちょうどこの日に「クラウド移行で内製化しよう」セミナーがNew Relic社主催で行われたので、そのレポートでもあります。
- New Relicを使ったクラウド運用管理術
- kubernetes環境にてアプリケーションの見える化を実現し運用を効率化する方法
の2つのセッションがあったのですが、別々の記事で内容を記載します。
この記事は「New Relicを使ったクラウド運用管理術」の内容です。
New Relicを使ったクラウド運用管理術
New Relic社 佐々木 千枝 氏のセッションです。 趣味はバンド活動だそうです。
New Relicとは
- 可観測性プラットフォーム
- デジタルビジネスの状況を把握するために最善の環境を提供する
デジタル変革(DX)は全企業の最優先課題で、2022年までにデジタルサービスがGDPに占める割合は60%以上と言われている
- 企業が生き残るための鍵は(経済産業省のDXレポートより)
- 分散化や特価が進むクラウド2.0
- マイクロサービスやイベント駆動型のクラウドファンクションズを使ったハイパーアジャイルアプリケーション といったITを強力に活かせるかにかかっている。
構築に必要なほとんどの機能を提供するクラウドによって、個別開発するべき部分を圧縮し、IT投資効率を高めることがスタンダードになる可能性もある。
デジタルビジネスを支えるITの特徴
- 俊敏性
- サービスをいち早く届ける
- スケーラビリティ
- ユーザーアクセスがどれだけ増加しても品質を維持する
- ソフトウェア中心
- 顧客を引きつけるコンテンツが鍵
デジタルビジネスとクラウドの親和性
- 俊敏性
- 数分でリソースを提供可能
- スケーラビリティ
- 利用状況に応じてスケールアウト可能
- ソフトウェア中心
- 豊富なマネージドサービスにより開発に集中できる
クラウドの運用するのは誰?
安定稼働を実現するためにどんな運用が必要なのか?
- クラウド、モバイル、AI,アジャイル開発、DevOpsなどの技術や方法を生かすためにユーザー企業は、自社のリソース充実に加え、他社とのパートナーシップを強化していくことが必要になる。
- ユーザー企業の内製化の推進
- ベンダーがユーザー企業を支えるスキルを持つことも必要
クラウド運用に大事な3つのポイント
New Relicは以下のことを提供しており、クラウド運用をスムーズに行える
- 既存ソフトウェアのモダナイゼーションとクラウド移行
- クラウド移行の成功
- オンプレとクラウドをまたいでソフトウェアのパフォーマンスを管理し、移行を促進
- クラウド移行の成功
- 新規ビジネスのためのクラウドネイティブなソフトウェア開発
- モダンアプリの適切な管理と開発の活性化
- 最新のマネージドサービスにも対応した可観測性を提供し、開発に専念できるように支援
- モダンアプリの適切な管理と開発の活性化
- クラウドコストの最適化
- リソースの使用状況からコストの最適化ポイントを見つけ、パフォーマンスに影響を与えずにコスト削減
クラウド移行の成功とは
計画、移行、運用とフェーズを切った場合、多くのクラウド運用ツールが本格的に稼働するタイミングは運用のフェーズである。
その場合、移行のフェーズでクラウド運用ツールの検討がされるが、本当は計画の段階で運用ツールを導入するのがベスト。
成功の鍵は計画段階から始まっている。
- 計画 (現状の把握)
- ベースラインの設定、クラウド以降の優先順位を決定(現在のステータスを取得し、移行中の様々なマイルストーンで比較、移行終了時のクライテリアとして使用できる)
- KPIs
- パフォーマンス、キャパシティ、可用性
- 移行 (正常に進行していることを確認)
- 問題や阻害要因の特定と成功に向けてのアクション
- KPIs
- アプリのエラー割合、応答時間、移行されたインフラとアプリの割合
- 運用 (モダナイズと最適化)
- よりモダンなサービスへの移行、クラウド利用の最適化(継続的な改善を行なっていく)
- KPIs
- 計算リソースの消費、エンドユーザーのQoS,インスタンスの健全性
クラウドの移行前と移行後でKPIが達成できているのかがわからないので、計画前に運用ツールを活用すべき。
New Relicがクラウド移行の際に最適なツールである理由
- クラウドと連携したデータ分析が可能である
- オンプレだけではなく、AWS,Azure,GCPと幅広いサポート
- マルチテナンシーを持った可視化と分析機能
- フルスタックな可観測性を提供
- ユーザーエクスペリエンス、アプリケーション、サービス、インフラストラクチャ
- 機械学習を使った高度なアラート機能
クラウドネイティブと可観測性(Observability)
物理サーバー、VM、VM内のコンテナを経て、オーケストレーションされたコンテナ上(kubernetes)へとアプリケーションは物理的な制約から解き放たれてきている。
その結果、アプリケーションの作りが変わる。 例えば、
- 非クラウドネイティブ
- 1つのモノリシックなアプリケーション
- 3サーバー
- 1データベース
- オンプレミス
- 四半期に1回のデプロイ
- クラウドネイティブ
- 多数のマイクロサービス
- 2500コンテナ
- サービスごとのデータベース
- 複数のクラウド
- 1日に15回のデプロイ
見るべきポイントも今までの監視から変わる
- これまでの監視
- リソースや死活といった状態を監視
- クラウドネイティブの可観測性
- 状態を見るだけでなく、関連するコンポーネント群の関係性を把握
アプリを中心に、動的な環境を多面的に見ることが必要
クラウドネイティブで見るべき指標
New Relicではこれらを標準機能で計測、可視化、アラート設定も可能。
各指標の関係性を含めた可視化を実現している。例えば、
- kubernetesのPodを選ぶと、コンテナの状態やアプリの状態がわかる
- 環境の特性に応じて、見たい指標のダッシュボード化も可能
クラウドコストの最適化
- New Relicではアプリケーションとインフラの稼働データを計画し、クラウドコストの削減ポイントを明確化
- クラウド最適化ダッシュボードをOSSとして提供
まとめ
オンプレミスからクラウドに移っていくにあたっての変化、移行、運用をどうするべきかが非常にわかるセッションでした。 特に刺さったのが、
移行の計画段階で運用ツールを活用すべき という言葉でした。
計画段階でシステムの現状をきっちり可視化することにより移行がスムーズに行えるし、説得力もあるなと感じました(データなので)。
経験上、運用ツールを使ってはいるが、活用しきれていないことが多かったので(ただメトリクスを取得してアラートを出すだけとか)、 これからは、移行の提案や実施の時に頭に入れておかなければならないと心に誓う次第であります。
このセッションは New Relicを使ったクラウド運用管理術 でしたが、次は実際にNew Relicを用いてKubernetes環境へ移行したお話です。こちらは別エントリーにて記載します
2019/12/20追記
もう一つのセッション記事を追加しました。
New Relic「クラウド移行で内製化しよう」セミナーに参加してきた ~ データセンターから GCP に移行し Kubernetes 環境を見える化で運用改善をした話 編 ~